夏は雷のシーズンですが、落雷後に電話や複合機(コピー機)などのオフィス機器が故障すると、自力復旧がほぼ不可能です。
「停電になっても、電気が戻ればまた元通りに使える」とは限りません。
落雷による停電は、ビジネスフォンや複合機(コピー機)に深刻な被害を与える可能性があるためです。
この記事では、大切なオフィス機器を故障から守るために、停電発生時に取るべき行動と、日頃からできる対策について、プロの視点から解説します。
停電時にまずすべきこと:物理的な電流の遮断
落雷に伴う停電が発生した際、最も警戒すべきなのは「雷サージ」です。
雷サージとは、落雷によって電線や通信線を介し、瞬間的に異常な高電圧が機器へ流れ込む現象を指します。
停電から電気が復旧する瞬間、この雷サージがオフィス内に流れ込み、精密機器の基板を破壊することがあります。
「電気が戻ったから使い始める」という行動が、実は機器に深刻なダメージを与えてしまうかもしれません。
停電が発生した際、担当者様がすぐに行うべきことは何でしょうか。それは、「機器の電源プラグをコンセントから抜く」という対応です。
まず、ビジネスフォンの「主装置(PBX)」や複合機(コピー機)、ルーターなどの電源プラグをコンセントから引き抜きます。
電源スイッチを切るだけでは、落雷による過電流の侵入を防ぎ切れないため、プラグを抜いて物理的に電流から遮断することが、最も確実な防衛策です。
※作業を行う際は、必ずご自身の安全を第一に考えてください。雷が激しい状況で無理に作業を行うことは避けてください。
なぜ電話機や複合機(コピー機)は雷に弱いのか

ビジネスフォンや複合機(コピー機)は、通信回線(電話線やLANケーブル)」を通じて、常に外部と繋がっています。そのため、落雷の影響を非常に受けやすい構造になっています。
電源回路からの侵入: コンセントを通じて入ってくる過電流
通信回路からの侵入: 電話線やLANケーブルを伝って入ってくる過電流
これらの経路から過電流が流れて来た場合、防御できずにダメージを受けることになります。万が一基板が焼けてしまうと、修理に多大な時間がかります。年数が経った機器では、部品の提供が終了して修理ができないケースもあります。
最悪の場合は機器全体の交換が必要になり、多額の費用と業務停止という、大きな損失を余儀なくされることになるのです。
落雷対策:日常編
停電が起きた瞬間にすべてのプラグを抜くのは、現実的には難しい場面も多いかと思います。そこで、日頃からの備えが重要になります。
1.サンダーカットの導入
落雷からビジネスフォンなどの大切なオフィス機器を守る対策として、「サンダーカット」の導入が有効です。
サンダーカットは、通信機器やネットワーク機器を保護するための専用機器で、設置することで雷サージ(過電流)が機器に侵入するリスクを低減し、通信機器を守ります。
具体的には、電話回線(ADSLやISDNなど)や電源線、接地などから侵入してくる強力な雷サージを吸収し、IP電話やビジネスフォンや周辺のネットワーク機器を保護する役割を果たします。
多くの製品には、パイロットランプが搭載されており、雷防護機能が正常に作動しているかを一目で確認できます。
サンダーカットを搭載したビジネスフォンも出ているので、メーカーや販売代理店に確認すると良いでしょう。
2.UPS(無停電電源装置)の検討
サーバーや主装置(PBX)など、特に重要な機器にはUPSの導入が理想的です。
UPSは停電時に主装置(PBX)やパソコンを安全にシャットダウンし、データを保護してくれます。
また、UPSはバッテリーを内蔵しています。非常時にはバッテリーから一定時間パソコンや主装置(PBX)に電源を供給することができます。
3.避雷針やSPD(サージ保護デバイス)の設置
建物の一番高い所に避雷針を設置することで、電源を地表に流し、落雷による事故や火災を防ぐことができます。
また、SPD(サージ保護デバイス)も有効です。雷サージを安全に放出し、過電流・過電圧が機器を破壊するのを防いでくれます。
ご紹介したUPSを組み合わせることで、電源断によるデータ消失や作業中断を最小限にできます。
※ただし、UPS自体に落雷した場合は、損傷を受けて電源供給が難しくなることもあります
もし機器が故障してしまったら

万全の対策をしていても、被害を完全に防ぐことは難しい場合もあります。
もし、停電復旧後に「電話が全く通じない」「複合機(コピー機)が起動しない」「液晶画面が消えたままで反応がない」といった症状が出た場合は、無理に再起動を繰り返さないでください。
損傷した基板に無理な通電を繰り返すと、修理ができなくなり、交換するしかない状態に悪化するケースもあります。
まずはプラグを抜いて現状を維持し、早急に専門業者へ連絡してください。
オフィスの通信環境を守ることは、大切なビジネスを守ることと同じです。
「どこが故障しているのか」「修理と買い替えどちらが適切か」など、疑問やご不安な点があれば、お気軽に「オフィス電話本舗」までご相談ください。貴社のオフィス環境に合わせた最適な対策を、一緒に検討させていただきます!




















